てんびんばかり

てんびんばかり

真実は一つなのか
何処にでも転がっているのかい
一体そんなものが
あるんだろうか
何もわからないで僕はいる

そしてそれがあるとすれば
何処まで行けば見えてくるんだろう
そしてそれがないものねだりなら
何を頼りに生きて行けばいいんだろう
何も解らない 何も解らない
何も解らない
何も解らない 何も解らない
何も解らないで僕はいる

家を出て行く息子がいる
引き止めようとする母親がいる
どちらも愛してる
どちらも恨んでる
どちらも泣いている

友達が殴られて
仕返しをしに行った男がいる
その殴った相手も友達だったので
困ってしまった男がいる

偉い人は僕を叱るけど
その自信は何処からくるんだろう
でも もしも僕が偉くなったら
やっぱり僕も誰かを叱るだろう

何人もの人を殺した男がいる
掛替えのない命を奪ってしまった
次はこの男が殺される番だ
掛替えのない命を奪ってしまう

男が殺される 男が殺される
誰も何も言わない
男が殺される 男が殺される
みんながそれに賛成したのです

男はいつでも威張っているけど
どんな目で女を見つめているんだろう
女はいつでも威張らせておくけど
どんな目で男を見つめているんだろう

僕が何気なく呟いた言葉が
君をとっても悲しませてしまった
慰めようと言葉を掛けたら
君は泣き出してしまった

長い間 君はとっても
辛い思いをしてきたのでしょう
やっと君を幸せにできると思ったのに
君はもういない

毎朝決まった時間に
起きる人の喜びは
何処にあるんだろう
電信柱に小便ひっかけた
野良犬の悲しみは
何処にあるんだろう

うちの仔犬はとても臆病で
一人では街を歩けない
首輪をつけると とても自由だ
僕を神様だと思っているんだろう

拳を挙げる人々と
手を合わす人々が
言い争いを続ける間に
ホラ ごらんなさい野良犬の母さんが
かわいい仔犬を生みました

誤魔化さないで そんな言葉では
僕は満足出来ないのです
てんびんばかりは重たい方に傾くに
決まっているじゃないか
どちらも もう一方より重たいくせに
どちらへも傾かないなんておかしいよ

誤魔化さないで そんな言葉では
僕は満足出来ないのです
てんびんばかりは重たい方に傾くに
決まっているじゃないか
どちらも もう一方より重たいくせに
どちらへも傾かないなんておかしいよ

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作詞 河島英五

作曲 河島英五

長い歌詞ですねぇ。
曲も長いんですが。
この曲を聴くと、世の中の矛盾を感じます。
すきなところは、

男が殺される 男が殺される
誰も何も言わない
男が殺される 男が殺される
みんながそれに賛成したのです

のところと、

うちの仔犬はとても臆病で
一人では街を歩けない
首輪をつけると とても自由だ
僕を神様だと思っているんだろう

のところと、

拳を挙げる人々と
手を合わす人々が
言い争いを続ける間に
ホラ ごらんなさい野良犬の母さんが
かわいい仔犬を生みました

のところと、

てんびんばかりは重たい方に傾くに
決まっているじゃないか
どちらも もう一方より重たいくせに
どちらへも傾かないなんておかしいよ

のところです。

よくないですか?
ホンマに矛盾した世の中です。
世知辛い世の中とは裏腹に、
野良犬は平和に仔犬をうんでるんです。
こんなに争い事でいっぱいなんは
人間だけなんでしょうね。
争い事のない平和な世の中になればいいのに。
一人一人の心がけしだいなのに、
人間ってダメですね。


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